医院ブログ
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こんにちは。馬込沢うすくら歯科、院長の薄倉勝也です。
先日、2歳のお子さんが歯科治療後に死亡するという痛ましいニュースをみました。処置後、ぐったりしているお子さんに「処置に疲れて寝てしまったんでしょう。よくあることです」と歯科医師は伝え、その後両親が病院へ。その後死亡したというニュースでした。原因は「麻酔薬中毒」と書いてありました。
麻酔薬中毒というのは相当量の麻酔薬を注入するか、血管に直接強圧で打ち込むかしないとなりません。ですが、お子さんの場合は少量でも中毒症状を起こす可能性があります。そのほかに麻酔薬アレルギーなども麻酔後に死亡するケースがあります。麻酔を打って、気持ち悪くなる、冷や汗がでる、などは迷走神経反射といって処置の緊張や麻酔の緊張や疼痛などによって起こります。麻酔をして具合が悪くなる原因はほとんどが迷走神経反射です。私も何度か経験がありますが、慌てる必要はなく、横になって血圧コントロールをすれば回復します。アレルギーや中毒はどんなものでも起こる可能性があります。麻酔薬だからということではなく、食品でも同様のことは起こりえます。
アレルギー、迷走神経反射は防ぐのは難しいです。やってみないと起こすかわからない、前回何もなかったから今回は大丈夫というものでもありません。中毒は血管に打ち込まないように、量を気をつけて・・・等対処はありますが、通常量で起こしてしまったのであればこれも予防は難しいです。
この歯科医院の良くないところは「よくあることです」で済ませてしまったことでしょう。その後の対処を迅速に行えていれば死亡事故にはならなかったはずです。歯科医院には救命セットが常備されていることがあります。
歯科外来環境体制というものが整っている歯科医院は救命セットが常備されています。馬込沢うすくら歯科は国の定める歯科外来環境体制に適合した歯科医院です。AEDや酸素、血圧計、人工呼吸のセットなどなど、救急蘇生セットが揃っています。
ニュースのコメント欄で「2歳の子に麻酔をするなんて信じられない」や「小児歯科は大学病院でやるべき」などの書き込みがありましたが、それは極端だと思います。何歳であれ、麻酔が必要な時はありますし、すべての小児歯科を大学病院で行っていたらパンクします。そういう意見がでてしまうのも、こういったあってはならない事故が起こってしまい、対処を誤ったことによるものです。当院の歯科医師は全員が総合病院や大学病院で治療を行ってきた歯科医師です。救急時の対応も習得済みですし、医療モールであることでお医者さんとの連携もとれます。使う機会がないことを祈りますが、みなさんが安心して治療を受けられますよう、設備を整え診察しております。
馬込沢うすくら歯科 薄倉勝也